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2014年12月07日

テストプレイとの付き合い方

この記事は、Board Game Design Advent Calendar 2014の第8日目の記事として書かれました。


改めまして、皆様こんにちは。OKAZU brandのOKAZU(Hisashi Hayashi)と申します。
本格的にボードゲーム・カードゲームをデザインしはじめて8年目となります。

自分たちのボードゲームが海外でも販売されていたり、毎年エッセンで開催されるボードゲームのお祭りSPIELにブース参加していることもあり、国内・海外事情を話そうと思ったのですが、既に掲載なさっている方やこれから掲載される方も多いと感じました。なので、日ごろ一番考えている、テストプレイについて語りたいと思います。

ゲームをデザインするうえで欠かせないのがテストプレイです。
私はこれまでテストプレイにおいていろいろ試行錯誤してきました。そして、様々な失敗や成功を経験し、多くのことを得ることができました。
その上で、私がテストプレイをするうえで気を付けている点をいくつか挙げてみたいと思います。

●自分のやりたいことをはっきりさせておく。
自分のデザインしたゲームでは何を表現したいか?どういったプレイをしてもらいたいか?どういうコンセプトのゲームか?といったことをあらかじめ決めておいたほうがよいでしょう。
こうすることで、意見をもらう際にそれが表現できているかどうか?などを確認しやすいし、もらう意見に対して、「本来はこうしたかった」というのがあれば、さらに踏み込んだ意見をもらうことも可能となります。
とはいえ、意固地になるのも禁物です。意見をもらう際にヒートアップして頑なに自分の意見を曲げないといったことをすると、もらった意見の中にすごく有用なものがあり、せっかくの転換点を手に入れるチャンスがあったとしても、それを失うことになります。

●テストプレイをするためのモックはある程度整ったものにする。
モックはある程度整った、それこそ機能として完成に近づいたものでやってもらったほうがよいと考えます。
昔、手書きで書いたものでテストプレイをしてもらったことがありましたが、どうしてもカードデザインや見やすさ、プレイアビリティなどに関して意見が集中してしまいます。「これはまだ仮のデザインだから」、「ここはまだ未着手なので評価しないでくれ」といってもテストプレイヤーはどうしても気になってしまいます。
なので、出来ればモックは完成に近いものを見せるようにしたほうがゲーム自体に対する意見がもらいやすいと思います。
イラストは載っていなくてもかまいませんが、数値やマークの位置、テキストの場所などゲーム中に必要になる箇所は出来ればある程度整ったものであるほうがよいでしょう。
ただ、大幅な修正も必要になるので、なるべく工数はかけずにやりたいところではあります。

●メンバーの情報を把握する。
プレイ後にもらう意見や感想がどういった特性を持つ人から出てきたのかを理解していると、意見とプレイヤー情報を組み合わせて、どのターゲット層に受けるようにすべきか、またその修正方法はどうしたらよいかと考えることができます。
ターゲットでない層だとしてもどういった反応がもらえるかといった情報はそれだけで有用である。さらに間口を広げるためにはどうしたらよいかと考える材料になるでしょう。
このとき把握しておくと有用なのが、メンバーの「プレイスタイル」「立ち位置」「好きな(嫌いな)ゲームの傾向」だと思います。

「プレイスタイル」とは、その人がボードゲームを行う際に出てくる趣向・傾向とします。
例えば「非常にばくち打ちでチャンスがあれば大体大ばくちを打つ」とか。「非常に堅実なプレイをし、大体2位以内には入る」とか、そういったプレイにおける傾向というものはどうしても人によって異なってきます。

「立ち位置」とは、その人のボードゲーム業界での立ち位置のことです。
たとえばゲームデザイナー、イラストレーター、サークル主宰、有名レビュアーといったものから、ボードゲーム経験何年、プレイゲーム数500以上とか、頻度(学生のように毎日プレイしている。毎週1回はどこかでプレイする。月に1回だけ)といったものを含んでいます。

「好きな(嫌いな)ゲームの傾向」は、そのまままさしく、その人が好きなゲーム・嫌いなゲーム(苦手なゲーム)の傾向のことです。
例えば、ブラフゲームが好き、ある程度運の要素が強いゲームが好き、2時間以上の重量級ゲームが好き、交渉ゲームが苦手、器用さを競うゲームが苦手など、好みも苦手もやはり人によって様々です。

もちろん、自分自身がテストプレイに加わるのであれば、自分自身もテストプレイヤーです。
自分のプレイスタイル・性格・立ち位置・好きな(嫌いな)ゲームの傾向などは把握しておいたほうがよいでしょう。

そこまで細かいことがわからない場合もあると思います。その場合、テストプレイをするゲーム会や集まりではどういった人が集まるのかといった漠然としたことでもよいでしょう。
意見の内容だけではなく、その意見がどういったタイプの人から出ているのか、ということが大事です。

●テストプレイ中のメンバーの表情や態度、プレイ内容を見る。
テストプレイ中のメンバーの表情や態度、プレイ内容を見ることにより、ゲームの盛り上がりポイントや、どこで悩みどころか、どの辺がルールやゲーム攻略として分かりやすく分かりにくいか? といったその場でないとわからない情報が得られます。
勝って面白いのはもちろんですが、負けたプレイヤーが途中で面白そうにプレイしているかどうか? といったことも表情や態度を見るとわかることがあります。
意見としては出ない、言葉になりにくいことも、雰囲気として出ている何かを感じ取れることもあります。

自分がゲームに夢中になってそんな余裕はないという人は、自分がテストプレイに入る回と入らない回を作るのはどうでしょうか?
もちろん、自分がゲームに入って体験することはとても大事ですが、一歩下がって傍観者となって自分のデザインしたゲームを見てみるのもよいと思います。

●テストプレイ後のすぐの感想戦を大事にする。
体験したことは、温かいうちにもらったほうがよいでしょう。
時間が経つにつれてインパクトがあったことしか思い出せなくなるので、後日意見をもらっても、あまり具体的な意見が出なかったりします。また、当然、目の前に物があって初めて出る意見もあるでしょう。
後日、文章にした意見をもらうといったことがありますが、なぜかプレイ時点で見えた感触と違う意見になっていることもあります。もちろん、まとめられた意見も大事ですが、プレイしてすぐの意見・感想はその場でなければ得られないことが多いでしょう。

●意見を鵜呑みにしない。
意見をもらって、それを鵜呑みにしてそのまま修正するとうまくいかないこともあります。
意見はどうしてもテストプレイヤーとしてその場で体験したことがメインとなることが多くなります。なので、その意見をそのまま採用すると、どうしても表面的な修正になりがちです。
しかし、どうしてそういった意見が出るのか?といったことを考えていくと、表面的な修正では手が届かないようなもっと根深いところに原因があることもあります。
ゲーム全体を一番把握しているのはゲームデザイナー自身であるということを踏まえて考えたほうがよいです。

また、その場で結論を出すのもお勧めしません。意見をもらったうえで、上記のことを踏まえつつ、自分自身でゆっくりどうするかを検討すべきです。
繰り返しますが、ゲーム全体を一番把握しているのはゲームデザイナー自身なのですから、その場で頂いた意見は大事ではあるが大局を見た上での決定権はデザイナーにあることを忘れてはなりません。

●初プレイを大事にする。
ファーストインプレッションの感想がもらえるのは初プレイのみです。
同じメンバーでテストプレイを回していると、初プレイの感覚を忘れてしまうことがあります。
そうして同じメンバーでテストプレイを重ね、微妙な修正をどんどん加えたことで、結果的にバランスはよくなったが、非常にゴテゴテしたルールが足されていって、わかりにくくなるといったことも起きます。なので、初プレイの感覚はどこか片隅に常に置いておくとよいと思います。
また、ゲームデザインに慣れると初プレイの時点のファーストインプレッションで、「これはこのままの路線でいけばOK」、「基本線はOKだが、ゲームにするには大幅な改良が必要」、「そもそもこのゲームはダメ、ボツにしよう」といったことが見えてきます。


まだまだ自分でもテストプレイの手法については発展途上の段階にあります。
もちろん、別の方法のほうが有効だというゲームデザイナーもいらっしゃるでしょう。
現時点で感じている、気をつけていることをまとめましたたが、これから見えることもあると思うので、テストプレイを大事に、支えてくれる仲間達に感謝しつつ、これからもゲームデザインを続けていきたいと思います。



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posted by OKAZU at 23:08| 雑談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする