お正月気分も抜けきらない時期ではありますが、今年のゲームマーケットに向けての準備もいよいよ始まってきました。
今年もOKAZU brandとして楽しいゲームが作れるように作者の手伝いなどしつつ、ボードゲームを楽しんでいければと思います。
さて、今回はマニュアルの話です。
せっかく何度もテストプレイを重ねて作ったゲームも、購入者に正しくルールが伝わらずにプレイされて正しい評価を得られないのでは、作者も購入者も不幸なばかりです。
読みやすく正しいマニュアルを書くためにどうすればよいのか、私たちも模索中ではありますが、様々にお叱りやアドバイスをいただいた結果、これから気をつけていきたいことが数点出てきましたのでメモがてら挙げたいと思います。
・書き始める前に用語表を作る
海外のボードゲームの和訳ルールを読んでいて多くの人が引っかかるのが『表記揺れ』、つまり「ひとつの用語に対して複数の呼び名が混在してしまうこと」ではないでしょうか。
ひとつづきのマニュアルの中に「冒険者」「探検者」「プレイヤー」と似たような言葉がたくさん出てくるのに、それらが同じものを指しているのか、それとも意味に違いがあるのか……表記揺れは混乱の元となり、理解を妨げてしまいます。
ルールを考えた作者ならばそれらがイコールであることは理解した上で、ガーッと書き進めてしまっているのでしょうが、作者の意図は残念ながら読者にはその文章を通してのみしか伝わりません。
それを避けるためにも、使用する用語を事前に紙や別ファイルなどに書き出し、作業中視界に入るところに置いておくことをお勧めします。またマニュアルを書きながら新しい用語が出てきたら、それまでに書き出した用語と重複がないかチェックしたのちに随時書き足していくとよいでしょう。
一般に説明書などを書くときも表記揺れのないように表を作ってから書き始めます。
これは私の机の前に貼ってある大昔の仕事の校正ルール。
このような言い回しの表記揺れはワープロソフトなどで修正してくれる場合も多いですが、ゲーム内の用語は自力で表記揺れをなくす努力が必要でしょう。
・目的、用語、終了条件ははっきりと
どういうゲームなのかという概略、何をして勝ちを争うかという目的、を簡略にまとめたものを冒頭に書きます。
決して短くないマニュアルを読んだり、そのインストを受けたりする人たちに、読む際の道しるべを与えることで理解の一助としてもらいます。
参考までに、OKAZU brandでは、
・ゲームの目的
・内容物(コンポーネントの数量を明記し、欠品などチェックしてもらいます)
・ゲームの準備
・プレイの手順
・終了条件
・得点計算
・バリアントルール(その他なくてもいい付加情報など)
という構成でマニュアルを書いています。
用語については統一するよう前述しましたが、作者が先走って複雑な用語を多用して分かりにくくするのは不親切です。いきなり「補充用山札から1枚ひきます」という文が出てきても、『補充用山札』が何なのかがわからないのではプレイのしようがありません。それ以前に、「余ったカードはひとまとめにして裏にしてテーブルの中央に置きます。これを以降『補充用山札』と呼びます」などという説明があるべきでしょう。
また、最低限のことではありますが、ゲームの終了条件は明記しましょう。それがないとゲームとして成り立たないはずなのですが、ごく稀にそういうマニュアルを見てがっかりし……二度とそのゲームの箱を開かない、ということもあります。
・例示もしっかり
ルールをひととおり記述したらざっと読んで、少し伝わりにくいと思った場所は図やリプレイ形式で例示することをお勧めします。
「このくらいルール読んだら分かるやろ〜」と思っても、意外と伝わらないものです。びっくりするくらいに。丁寧すぎるくらいに記述してやっと7割伝わると思ってもいいです。伝わりすぎて悪いことはないのですから、例示は惜しまず「こんなときはどうするんだろう」という疑問が出ないようにしてあげましょう。
図や囲み記事の適度な存在によって、ぱっと見で「見やすそうなマニュアル」という印象を与え、読んでもらえるレイアウトになるという利点もあります。
(こういう図示をIllustratorなどで作って挿入しています)
・校正は別の人に
できればそのゲームをやったことがない人に目を通してもらいましょう。書いた人では気づかない「ここがわからない」「これはどういう意味だろう」という疑問点を挙げてもらえるはずです。
その疑問を解決するにはどういう記述に直せばいいのか、を突き詰めることでより伝わりやすいマニュアルに近づくはずです。
そして誤字がないか、表記揺れがないか、読みやすいかどうか、をチェックしていきますが、これもマニュアルを書いた人とは別の人がよいでしょう。マニュアルを記述する際に用いた用語表も校正者に渡し、表記揺れがないのかチェックしてもらいましょう。
私たちはPDFで校正のやりとりをしています。こんな感じ。
・テストプレイ動画もあると便利
私たちはマニュアルのチェックをボードゲーム&WoW仲間のhal_99(http://www.lifetips.me/)さんにお願いしていますが、初見チェックの後に出てきたちょっとした疑問を解決するためにテストプレイ時の動画を見ればよかった、という話を氏から聞きました。プレイの終始が追える動画があればチェックの一助となったことでしょう。
私たちのゲームは幸い、ゲーム仲間の風船さんによるプレイ動画が逐次upされているのですが(http://www.youtube.com/user/huusen13)、購入を検討してくださっている方々への情報提供としても有効に活用させていただいています。
もちろん動画を撮る手間が取れず地理的時間的条件が許すなら、初見チェックの後に1プレイやっていただいてもいいでしょう。
そうすることで、校正者には初見の視点と、流れが分かった後での視点両方をもってチェックしてもらえます。
まだ私たちの作るマニュアルも分かりにくくて購入者の方々に迷惑をおかけすることが多いのですが、上記や、さらに色々工夫を重ねて分かりやすくしていきたいと思います!

